ブラックルチルクォーツ本物と偽物の見分け方

いつもお世話になっております。フォーチュネイトルチルです。

本日はルチルクォーツの中でも最も希少性の高い石ともされるブラックルチルクォーツについてご紹介して参ります。少々マニアックではございますが、ブログ名にもございますように『ルチルクォーツマニア』には相応しい内容になるかと思いますのでじっくりお読み頂ければと思います。

ブラックルチルクォーツとブラックトルマリンの違いとは

一般的にブラックルチルクォーツと言われ流通しているそのほとんどがブラックトルマリンインクォーツのことを指しており、なかなか本物のブラックルチルクォーツを見れる機会も多くはありません。

なぜこのように流通してしまっているのかと言えば、それは、見た目がものすごく似ているという理由の他ありません。下記の画像にも記載させて戴きましたが、どっちがどっちと思う人がほとんどだと思います。

両方とも黒針水晶には間違いないからです。ですが、私の見解では、ブラックトルマリンインクォーツとして販売するよりもブラックルチルクォーツとして販売するほうが売れる。そんな安易な理由のような気もします。ルチルだけではなく、天然石業界の中にはこのようなものが多数存在するということは石好きとして頭に入れておかなければなりません。ちなみに針が細いからトルマリン、太いからルチルということではございませんので間違えないようにしてくださいね。

■ブラックトルマリンインクォーツ(鑑別結果=トルマリネイテッドインクォーツ)
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■ブラックルチルクォーツ(鑑別結果=ルチルレイテッドインクォーツ)
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そしてこれはビースの生産国中国から流れてきているのです。中国においてブラックトルマリンインクォーツだとしてもブラックルチルクォーツとして販売しているお店(卸業者)は沢山あります。日本の販売店もこれに順次てブラックルチルクォーツとして販売し初めました。

全ての販売店がそうではありませんが、少なからず私の調査の中ではかなり多くの販売店がそのような販売の仕方をしています。ですので、これは『本物のブラックルチルクォーツですか?』『それともブラックトルマリンインクォーツですか?』このような質問をした際にしっかり回答してくれた販売店はいまのところありません。

そして、おそらくですがこの違いをしっかり理解してる方も少ないのではないかと思います。仕入れた先がそう言ってたからそう売ってますではあまりにも無責任なのではないかなと思ってしまうのは私だけではないと信じたいところですが、ではブラックルチルクォーツとブラックトルマリンインクォーツの明確な違いはと言われたら、私は『金属光沢があるかないか』と答えます。ルチルは金属光沢を持つ鉱物ですので、金色、銀色、赤色、オレンジ色、茶色などどのルチルであったとしても分析すれば金属光沢が確認できます。

この色みが様々あることについてはまた別の機会にお伝えしようと思いますが、今回のテーマでもあるブラックルチルも光に反射などして金属光沢を確認することができます。とはいえ、実際のブラックルチルクォーツも強い光にすかして見ると濃い赤色のようにみえるものもあります。これが和名で金紅石と言われる由縁でもあるのです。

本物のブラックルチルとは

ルチルクォーツの色みの違いについては鉄の影響によって様々な色みに変化していると言われております。その中で、もっとも鉄の含有量が多いルチルがブラックルチルと言われているのです。本物のブラックルチルクォーツという定義において言えば、その鉄の含有量が通常の金色のルチルが10%以内であると言われているのに対して、ブラックルチルは30%ほどの鉄を含んでいると言われています。これが本物のブラックルチルクォーツと言われるものです。

本物のブラックルチルの見分け方

では実際に私がブラックルチルクォーツとブラックトルマリンインクォーツを見極めた上で買い付ける際にはどのように判断しているのかをお伝えしようと思います。

鉱物の専門家であっても肉眼ではブラックルチルかブラックトルマリンかを判断するのは非常に難しいといいます。実際に先の画像でもお見せしましたが、どちらもルチルにも見えるしトルマリンにも見えるからです。私も肉眼で見た際には50%位の自信しかないのですが、ルーペを使うとその自信は99%にまで引き上げられます。残りの1%は人間の目には100%はありえないと思うので99%とお伝えしておりますが、実際には確信を得たと思えるくらいブラックルチルだろうと判断できます。

ルーペを使いルチルとトルマリンの違いを見極める際にはルチルの表面が金属光沢によって光るか光らないか。これだけで簡単にわかります。トルマリンからこの金属光沢を確認するのは非常に難しいです。どこの部分がどう光るかを見てルチルかトルマリンかを判断します。トルマリンの場合は、針自体が光るのではなく、その周囲が反射して光るということになりますので、トルマリン自体は光ません。暗いところで見ては、ルチルであっても見極めるのは困難なのですが、明るい場所、蛍光灯の下などで見ればしっかりルチルに蛍光灯の光が反射して光るのが解ります。これでだいたいの予測はできます。もちろんこれだけではなく、ルチル、トルマリンのそれぞれの断面までみればそれは確信になりますので、このあたりもまた後日弊社資料と共にお伝えできればと思います。

今回はブラックルチルクォーツとブラックトルマリンインクォーツの違いについてご紹介して参りましたが、それでもやはり鑑別機関でしっかり調べることが一番お客様も安心されるであろうことは理解しております。その為、当店でブラックルチルとして販売させて頂く際には、事前に必ずルチルであるという事実を確認し、鑑別書にした上で販売させて頂いております。なかなかブラックルチルが発見できない為、サイト上の商品更新ができておりませんが、今後も本物のブラックルチルクォーツを探し続けて参りますので、諦めずにお待ち頂ければと思います。きっと見つかると信じて探して参ります。

下記の画像は現在弊社に保有している14mm玉のブラックルチルクォーツになります。しっかり検査に出しルチルであることを確認しておりますので、ご希望の方がいらっしゃれば是非お問い合わせくださいませ。

14mm玉ブラックルチルクォーツ(鑑別書付)
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まだまだお伝えするには不十分な点も多々あると感じております。その点などについても、今後徐々に解説していこうと思いますので、今後も『ルチルクォーツマニア』を宜しくお願い致します。

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